SSブログ

2020-10-15



2020年10月14日  [晴れ][曇り]   又、遠征します

今日も又、雨マークのないお天気予報です。予報は“曇”。思い切って“野尻湖”へ行ってみます。野尻湖の朝の気温は11℃とか。初冬の気温です。大丈夫かな。他県へは今まで行ってはいけない気でいましたが、“GoToトラベルキャンペーン”も行っていますし、何だか野尻湖って新潟県内のような気がしていますので、あまり抵抗感はありません。それほどボク達にとって、近しく親しみのある所と言えるのでしょう。長袖+タイツです。
“町営野尻湖駐車場”につきました。9時20分です。野尻湖の空が、こんなに晴れ渡るとは思ってもいませんでした。目の前の湖は、日射しを受けてキラキラ輝いています。漁師さんの舟でしょうか、小さな舟が静かに動いています。逆光線状態で半分シルエットに見えます。思わずシャッターを切りたくなりました。静かで素晴らしい朝の湖です。全然寒さを感じません。「ヨシ、行きましょう!」9時40分。今日の始まりです。
過去何回か走っていますので、承知しているはずですが、ホテルやレストランなどの家並みがとぎれると、いきなり急な上り坂になります。スタート地点の標高は657m。この坂の上り詰めは730m。息を切らしながら上りますと、もう背中がじんわりと汗ばんで来ました。坂の途中の道には、朴の木の大きな枯れ葉が、一杯散らかっていました。秋ですねえ!でも大方の木は、未だ緑の葉を付けたままで、紅葉にはなっていません。
木々の間から時々見える野尻湖ですが、湖周道路と言うにしては、見えない方が多いですね。ほとんど林の中の道を走っている感じで、薄暗い日射しの届かない寂しい道もあり、又時には日差しの中を気持ちも軽やかになる道になったり、時には日射しと木陰が斑になって、木漏れ日の道になったりもしています。ボクは木漏れ日の中を走るのがとても好きです。これは秋や冬の季節に多いと思われますが、太陽の光が斜めになるからでしょうね。
結構アップダウンしている道を黙々と走ります。時折車や、ランニングのトレーニングをしている若者と、すれ違います。9,6km。湖周道路から飯山妙高高原線に左折します。やっとやっかいな(?)湖周道路から離れます。一気にかなりのダウンヒルになります。僅か1km足らずの道ですが、快適を通り越しそうなスピードが出ます。一転視界が明るく開けました。四辻で左折します。小さい山に囲まれた田園風景が、そこに展開します。
“富濃”と言う地名看板があります。ほんとにのどかな田舎の風景ですが、上越の田園風景とはどこか違う気がします。子供が粘土なんかで作った山みたいに、ポコンポコンとした円錐型の山があって、その下で人々が暮らしています。未だ刈り取りの終わってない稲が、景色を黄金色にしています。湖周道路の凹凸から離れてホットしていましたが、何気なくこの道も上り道になっています。次の曲がり角まで結構な距離に脚が感じています。
中山間の集落が道の左手に連なっています。右手には田や畑が広がって、農家の人の働く姿がまばらに見えます。約2kmほどの上り道から右折しますと、緩やかな下りスロープ状の道を、口笛を吹きたくなるような快適さで走ります。でもしかし、それも一瞬の喜びでした。再び重いペダリングを要求されます。グッと掛かる登坂抵抗の重量感!そんな中で道の左端に軽自動車が停まっています。その車の前におばあさんがしゃがんでいます。
小さい椅子と画架を置いて写生をしていたのです。やっとの思いで「こんにちは!」と声を掛けました。「こんにちは」と返事が返ってきました。ここでボクが停まる事は出来ませんでした。直ぐにセンターギヤでは間に合わなくなって、とうとう伝家の宝刀、インナーギヤを登場させます。道幅はかなり広い立派な道ですが、車も滅多に来ませんし、静かな山道です。ボクの息づかいだけが良く聞こえます。もうセミも虫の声も聞こえません。
何とか上りきります。息を整えますと、今度は上った分だけ下りが待っていました。どんどん下っていきます。「上り詰めた後の下りこそ事故が一番多いのだぞ」と自分に言い聞かせて、ハンドル操作とブレーキングでスピードコントロールをして下って行きます。適度にカーブしている道は、体を右に左に傾けさせて、クリアして行きます。快感です。景色が後ろに飛んでいきます。先ほどまでの苦労が忘れてしまうほど楽しい瞬間です。
快適サイクリングは、上信越自動車道の高架下を潜り抜け、芋川防災センターまで続きます。ここを左折です。小さな集落を幾つか通り過ぎました。コスモスはもちろんですが、ボクには名前の分からない花たちが、色々咲いていて心を和ませてくれました。野尻湖からもう10kmも離れた所まで来ています。最後の上り道に差し掛かる直前の農家の周辺には、道の直ぐ側にまでりんごの木が植わっていまして、赤い実を沢山付けています。
もう収穫時期でしょうが、鈴なりのりんごは木に付いたままで、中には地面に落ちているのも沢山あります。以前ここで会ったおばあさんに聞いた事があります。「出荷するほどの量もないし、管理も出来ないし、じいさんと二人暮らしだから、構いきれないんですわ」更に「子供らなんか、街へ出て家を建てたから、滅多に寄り付きもしないんですよ」だって・・。切ないお話しですね。お昼時のせいか、今日は誰も外に出ていませんでした。
最後の上り坂になります。約1km。見えてきました。“サンクゼールワイナリー本店”です。りんご棚とぶどう棚に挟まれた坂道の終点に、おしゃれな佇まいでボクを迎えてくれました。近隣の幼稚園児達でしょうか。おかあさん達と数十人芝生で遊んでいます。柔らかい日射しが正に秋日和です。11時27分。19,92km。良い時間に到着しました。ここにもカラフルなフラワーが出迎えてくれています。穏やかな雰囲気です。
別の建物にレストランがあります。予約なしですが、何とか窓側の席に案内して頂けました。ここは長野県内でも有名な“絶景レストラン”と言われている所です。坂を上って高い所まで来ましたので、窓の下には田園風景が、下の方に広がって見渡せます。夜になるともっと幻想的で、ロマンティックな景色になるんでしょうね。誰かと来たいなあ!久しぶりの洋食ランチを堪能しました。ウエートレスさん達も、感じの良い女性ばかりです。
満足のランチタイムを楽しんだ後、本店に戻りました。ワイン・ジャム・ジュース・他、沢山の関連食品が並んで居ます。直江津エルマール二階にある“久世福商店”はここの出店なんですってね。ふ~ん!今回は何も買わないで帰路にします。外は少し雲が出て来ています。太陽が雲に隠れますと、一瞬の内に薄暗くなりますし、寒さを感じます。あんなに下ってきた道を、今度は上らなければ帰れません。気が重い!13時。帰ります。
来た道でも帰り道は反対向きになりますから、景色が全く違って見えます。下ってきた道を、今度はいきなり上り道になって、脚に重みを感じます。しかも午後の今、向かい風が体に当たります。嫌な予感が脳裏をかすめます。道端に咲く花が、よく見えるほどのスピードで走っています。コキアが赤くなって可愛く丸まっています。センターギヤで対応できる程度の緩い勾配の坂道が続いた後、高速道路下を通過した辺りから胸突き八丁です。
ゆっくりゆっくり進みます。脚を止めなければ、いつかは終わりが来るはずです。上って上って少し下って、又上り切るまで約6kmです。そして所々で色づいた紅葉にも目が行くような速度で、走って行きます。ついに上りきって、下りの途中です。未だ右側に軽自動車が停まっている所へ辿り着きました。アッ、描いています。おばあさん。道を横切っておばあさんの側へ行きました。「未だ出来上がりませんか?」恥ずかしそうな笑顔です。
「私は只描いているだけなんですよ。へたなんです。描いていると楽しいものですからね」「そんな事は無いですよ。スゴイきれいな風景画ですね。私はいつも思うんですけど、良い景色に出会っても、絵に描いたり俳句に詠んだり出来ないものですから、残念だなあって・・。写真では自分の気持ちが表しにくいですからね。お近くなんですか?」「柏原。黒姫駅の近くなんですよ。」一言言う毎に笑い顔を見せます。素敵なおばあさんです。
白髪から見て、多分80才位かと見受けられます。「お邪魔しました。頑張って下さいね」「ありがとうございます。お気を付けて・・。」良い出会いでした。程なく上り詰めに到着しました。再び下ります。グッとゴールに近づいた感が持てます。ここは2kmも下ります。“富濃”まで戻りました。もう青空はなくなりました。。帰り道は近道を選ぶ事にします。帰路のスタート直後以来、向かい風は吹いていません。良かった!直進します。
近道とは言え、野尻湖周辺の道は、一筋縄ではありません。再びキツ目の上り道が待っていました。でも、途中の時代がかった家が有ります。その風情に思わずシャッターを押してしまいました。人が住んでいそうです。仙人様かな?“針ノ木池”を右手に見ながら尚も直進します。極端なヘアピンカーブのダウンヒルをクリアしますと、「お~!」久しぶりに出た野尻湖の湖岸です。水際を通る道から対岸のゴールが近々と見えています。
湖に突き出た桟橋が絵になります。何本目かの桟橋上に、大学生かと思われる男子4人が思い思いのポーズで写真を撮っています。「コンチワ~!」「ア、コンチワ~!」大きな声で応じてくれました。もう急ぐ事はありません。段々建物が混み始めてきた道を、見物しながら流して走ります。季節的にも曜日的にも時期(コロナ禍)的にも野尻湖が混み合う要素はありませんが、それにしても軒並み静かな湖岸のお店屋さんです。
昔の野尻湖は、一大観光地としてかなり賑わった物ですけどね~!と感慨無量です。14時25分。35,5km。スタート地点にゴール致しました。起伏に富んだコースでしたが、飽きないで走る事が出来ました。帰り道、近道を選んだ事は正解でした。自転車を車に載せての帰り道、フロント硝子に雨粒が落ちてきたからです。これで5週連続水曜日、走れた事になります。間もなく来るでしょう“冬将軍”を前にもっと走りたいです。



nice!(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0