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2023-05-26


2023年5月24日(水)  [曇り][晴れ]   久しぶりに遠征ランです


コロナ禍依頼、自粛してきた“県外遠征ラン”を久しぶりに、再開する事にしました。今回連れがいるからでもあります。一人で走るのは、気楽で良いものですが、二人は二人の良さ、会話が出来ると言う良さですね。見る物の視点が違っていたり、逆に同意見だったりで面白いです。同行者は女性のDKさんです。元々当店の“初心者サイクリング”から始めた人でしたが、今はもう立派なサイクリストです。地元は一人でも走れますので・・。


長野市の豊野体育館駐車場を10時18分スタートしました。雲の合間から時々陽が射す空です。段々良くなる予報に期待です。県道399号線の狭い道を走ります。所々に旧街道の面影を残している建物や大木などが、目に心に残る景色です。ここは元は“北国街道”だったのです。車が走らなければ尚、素敵な旧街道サイクリングに成るのですが・・。道にせり出すほど近くまで、それぞれのお宅の庭からは、花が咲き競って見えます。


今特に目に付く花は、“バラ”ですね。色んな色のバラがありますが、最も強烈に目を射るのは真紅です。大きく成長した木に、真っ赤な花を沢山咲かせている“バラ”は素晴らしいの一言です。長野でもこれからが、バラの花の見頃になるのですね。雰囲気を楽しんでいる内に、浅野の交差点に来ました。直進です。ここからは国道117号線です。今日の目的地は中野市郊外の“高野辰之記念館”です。ボクにとっても久しぶりの訪問です。


風がかなり吹いています。多少向かい風のようですが、上り道の勾配のつらさなのか、どちらなのか分りにくいです。 “高野辰之”・・・ 『高野辰之は、1876年(明治9年)4月13日、長野県水内郡永江村(現中野市)に生まれました。厳しい父のもとで土蔵に隠れて本をむさぼり読むという向学の志にあふれた少年でした。長野県尋常師範学校(現信州大学教育学部)に入学。この頃から、千首あまりの和歌を作っていたといわれます。


国が初めて発行した「尋常小学唱歌」を編纂する一方で、「故郷」「朧月夜」「春の小川」「春が来た」「紅葉」などの文部省唱歌、全国の校歌や中山晋平作曲の「飯山小唄」などを作詞しました。記念館は高野氏が教鞭をとった永江学校・永田尋常小学校のほど近く、永田小学校旧校舎の跡地に建っています』・・・と言う事で、再度訪問したくなるような雰囲気の記念館です。今日の連れは初めての所という事で、楽しみにしているようです。


国道117号線脇にはJR飯山線が、そして、その向こうに千曲川が流れています。更にその向こうに広がっている中野市の市街の背後には、大きく立ちはだかっているような山並が・・。北志賀高原でしょう。そんな景色を見ながら、車の通行を気にしつつ、国道の上り道を風に逆らって進んでいきます。アヤメの青紫やマーガレットの白。カラフルカラーのスミレやムスカリの青。春はほんとに、景色が花色で彩られています。やがて・・、


11時。9,5km。豊田消防署角です。ようやく国道を離れられます。一気に心安まる田舎景色の中に入りました。樹齢何年かと言うような大木が、枝を広げて歴史を語っています。左手側には川(斑川まだらがわ )が音立てて流れ、橋の向こうに集落が点在して居ます。庭に咲く、又は野に咲く花達が、ボク達を歓迎してくれているかのようです。思わず二人とも自転車を停めて、スマホカメラで写真撮影です。タイムトラベルのようです。


「イイですねえ!この雰囲気」とDKさん。ボクも大好きな景色です。ボク達はこの風景の中を進みます。雲の端から太陽が出て来ました。明るさと気温がグッと上がった気がします。平らな直線道路ではありません。上ったり一寸下ったり、又上ったり上ったりしながら進みます。段々川の音が渓流のようなザアザアと騒がしい音になって来ています。車の通りの少ない狭い道を、気持ち軽やかに、ペダルも・・? 記念館へ1,5kmの看板。


何だかもっとこの景色の中にいたいなあ、の思いを持ちながら、ゆっくり景色の中の一部になったような気持ちで進みます。11時30分。13,1km。見覚えのある“高野辰之記念館”の建物に着きました。白いなまこ壁の蔵造りです。お屋敷の入り口から、花壇に整然と咲く、ジャーマンアイリスがお迎えしてくれますし、“紅葉”の歌碑が、高野辰之氏の世界に引き込んでくれます。奥の蔵に続く道の両側には、シロツメ草が一杯です!


正面入り口は、今屋根の修繕で緑のネットで覆われて居ます。中の展示物などは以前とあまり変りが無さそうに見えました。今の入館者は数名です。DKさんはかなり熱心に見学しています。ボクは先に外に出て待っていました。降り注ぐ太陽の光が気持ち良いです。建物の外の道などには、風は未だありますね。のぼり旗が激しくはためいています。殆ど人気のない山あいのここ永江には、お店やさんがありません。もちろん食堂もです。


記念館から出て来たDKさんに「お腹空きませんか?」「ええ、空きました」「どこかでお昼にしましょうか」「はい、良いですね」ここから国道117号へは、そんなに離れては居ません。向かいます。途中“真宝寺”に寄ります。“おぼろ月夜”の鐘があります。 ♪ ~ かわずの鳴くねも 鐘の音も さながらかすめる おぼろ月夜 ~ ♪ の鐘ですね。立派な鐘楼です。直ぐ目に入ってきます。屋根だけ新しく造られたのですね。


囲いの塀に自転車を二台停めさせて頂いて“ふるさと遊歩道”を少し歩いて来ます。クリートの着いたシューズで、石畳状の遊歩道を慎重に歩きます。遊歩道もアップダウンがあります。小さな木の橋も渡ります。この小川が斑川で“春の小川”や“かの川”だと言う事です。そんな謂れ(いわれ)を聞いて歩きますと、高野辰之氏がここを見ると後世に残る歌になるんだなあ、と思いひとしおです。お互いに、カメラで記録を残しまくりました。


遊歩道を一周しないで、戻ります。気持ちは満たされましたが、お腹は満たされていません。さあ、行きましょう。3km弱で117号線“道の駅 ふるさと豊田”です。12時30分。14,9km。それほど混み合っても居ませんが、程よくテーブルが塞がっています。長野のご当地グルメ“たれカツ丼”を二人とも注文です。セルフサービスですが、出来た注文品を知らせる女性スタッフさんの声が、良く通る声で素晴らしい!です。


カツもボリュームがありますが、ご飯の量もボクにはかなり多めです。甘辛いタレも濃い味で久しぶりに満足感満点の食事でした。いつも家庭では薄味で作って貰っていますから、たまに外食すると「ウマいなあ!」と濃い味が懐かしく感じます。外に出ますと従業員のお母さんが「自転車でどちらから?」と愛想良く尋ねてくれました。「上越なんですけど、今日は豊野から高野辰之記念館を見学に来たんです」「そうですかありがとうございます」


「私の家は、記念館の直ぐ後なんですよ」「え~そうなんですか!良い所に住んでいるんですね」と、ほんの僅かな会話でしたが、心和む気がしました。さて、帰り道になります。「DKさん、このまま国道117を下って行きますか?それとも田舎道を帰りますか?」「国道はイヤですね。景色を見ながら行きませんか」と言う事で、再び永江に戻ります。左折しますと来た道になりますが、道なりに直進します。県道362号線です。


大方ダウンヒルかと思っていましたが、そうでも無くて山道の結構なアップダウンが続きます。今一快晴になりきれなくて、雲に日射しが遮られますと薄暗くなりますし、風が寒く感じます。14時07分。22km。飯綱町赤塩。ここから459号に分岐します。直進は平坦路が続いていますが、分岐点からボク達が進む道は、結構な上り坂が見えています。「先に行って良いですよ」「はい」言う間に、すーっと簡単に前を走って行きました。


カーブで姿が見えなくなって、一人旅になったボクは、いつものペースで走れます。うろ覚えのボクの記憶では、それほど長い坂道ではないと思っていたのですが、それでも600m。標高差51mありました。視界が開けたりんご畑の景色の中に、DKさんが一息ついていました。りんご畑の向こうには、北信五岳の黒姫山と飯綱山かと思われる山が大きく見えています。山道が続いていたこれまでとは違って、雄大な景色が開けています。


深呼吸したい気分です。でも、どうも今日は黄砂でしょうか、二人とも喉の調子が良くありません。「えっ!えっ!」と咳払いです。普段もっといい声して居るんだけど・・!と二人。笑い合いました。何とかこの景色もカメラに収めたいと、試行錯誤。アングルを考えてみましたが、うまくこの景色を撮る事は出来ませんでした。目に焼付ける事にします。何てイイ気持ちなんでしょう!行く先には未だ、山が立ち塞がって見えます。


国道を走っていればもうかれこれ、豊野に入っているかも知れなかったかな?。それでも今日は雨の心配は無さそうなので気持ちは楽です。気になっていた正面の山は、脇をすり抜けるように殆どがダウンヒルでした。途中道路工事中で交互通行の箇所もありましたが、狭い道幅を右に左に体を傾けながら、快適に下って行きます。山合いでは風の影響も無しに、叫びたくなるような気持ち良さです。上りの苦労のご褒美ですね。キャホー!


楽しい時間は早く終わってしまいます。国道18号線、大倉交差点に来てしまいました。かって“センチュリーライド上信越”でチェックポイントとして使わせて頂いた“チェン脱着所”前を通ります。懐かしい色々なシーンが蘇ります。浅野交差点を右折しますと、スタート地点の豊野体育館までは、来た道を帰ります。来た時とは又視点が反対になる所為か、新たに見える物もあるものですね。楽しい楽しいと思いながらの到着でした。


14時52分。32,2kmでした。距離の割に起伏もあったし、景色も変化があって充実の一日だったと思いました。「良かったです!コースも景色もお天気も・・!」とDKさん。帰り道に飯山の元会員さんの“福田屋さん”に寄って久しぶりに顔を見てきました。お菓子屋さんですから、こちらのお店得意の“柏餅”を買って帰りました。餅の厚さが凄いです。餅好きのボクには最高の柏餅です。お勧めですよ。遠征ランは良いものですね。



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