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2019-11-09

2019年11月4日~6日 [晴れ][晴れ][晴れ]   奥琵琶湖探訪一人旅


〈11月4日(月・祝)〉


18時22分。もうすっかり夜になってしまっている湖西線の小さな駅に降り立ちました。ここは滋賀県高島市“近江高島駅”です。琵琶湖の西側、湖北に位置する“鯖街道の宿場街”であり、漁業や観光の街と言う顔も持つ奥琵琶湖の静かな街らしいです。駅前の通りも派手な建物はなく、直ぐに住宅街の中と言う雰囲気です。駅近くの宿を探す時にも、苦労なく選ぶ事ができました。たった1軒しかないからです。


暗い道を地図とスマホのナビを頼りに歩きました。奥まった路地の向こうに電装看板の文字で“恵比寿屋”と有ります。モロ昭和っぽい旅館ですが、今考えてみますと“民宿”かな、と思います。予め送って置いたダンボール箱入りのボクの自転車が、玄関に置かれてありました。ホッとします。明日からボクを乗せてあちこち移動してくれる、旅のパートナーですから。出迎えてくれた宿のご主人の「こんな自転車乗り、初めてだ」え~何で?


「琵琶一(びわいち)の人は何人も来るけど、みんなレンタサイクルのマウンテンバイクでやって来るよ」何か機嫌が悪そうな親父さんです。「そうですか。私はいつもこうして自分の自転車でサイクリングしていますけどね」兎に角自転車を組み立てて、準備が完了したのは、もう19時を回っていました。それからお風呂に浸かり、部屋で夕食代わりの軽いものを食べて、就寝したのは21時頃でした。早起きの疲れがどっと襲ってきました。




〈11月5日(火)〉


6時。目が覚めました。障子を開けると、未だ朝日が昇りきらないで薄暗いです。グズグズと支度を始めていますと、6時30分にはきれいな朝焼けの空に変化していました。朝日がまぶしい!今日は良いお天気になりそうです。でも外は寒そう。この時期この辺りでは珍しい「最低気温9℃でした」とテレビで言っています。7時。朝食です。広い和室のお食事部屋で、ぽつんとボク一人、朝ご飯です。お泊まり客はボクだけだったようです。


8時。お客商売らしくない親父さんから写真を撮って頂き、さあ今年の“秋の一人旅”が始まります。この時しか背負わないリュックの重みが、肩にずしんと感じます。フロントバッグも普段はあまり使わないので、ハンドリングが慣れるまで一寸ぎこちないです。進行方向は北へ行くのですが、先ず向かうのは南向きです。そこには“白鬚神社”が有るからです。湖の水の中に鳥居が立っていると言う。どうしても行ってみたいです。


R161を約3km程走ります。狭い道幅なのにやたらに車が走っています。路側帯があまりなくて、大型トラックなどが横を走り抜けると、風に煽られて引き込まれそうです。朝の冷気で指先が冷たいです。やがて前方左手の琵琶湖上に鳥居が見えてきました。ほんとに湖水の中に立っています。昔は陸上にあったのが、琵琶湖の水が増した為に、湖上に浮かぶみたいになったのだとか。8時8分。2,8km。14℃になりました。


国道の右手山側には、立派な神社が立っています。全国の白鬚神社の総本山なのだそうで、近江最古の神社でもあって、祀られている神様は、猿田彦命。“道開きの神様”とか“長寿の神様”とも言われているようです。お賽銭を上げて、このツーリングの安全を祈りました。さあ、戻りましょう。少し行くと目についた案内板に惹かれてしまいました。左手山に向かって“四十八体石仏群0,3km”の道標が。0,3kmなら行ってみましょう。


傾斜の強い山道を上っていきます。息が切れた所で居ました。鬱蒼とした林が切り開かれた所に、座った姿勢の石仏が48体居ます。人の顔とあまり違わないほどの大きさの顔をした仏様達が、並んで居るだけでも異様に迫力がありますが、その背後には地元の家のものでしょうか、沢山のお墓が建ち並んでいます。何かヒヤ~とした鳥肌が立つような雰囲気です。全ての石像さん達は、湖の方を向いて静かに手を合わせていらっしゃいます。


誰も居ない林の中でボク一人、合掌。神聖な気持ちになった一時でした。暫く寄り道はないでしょう。軽いギヤを回します。無風状態なのか快適です。右手に湖を見ながら国道161号線を北上しています。相変わらず車がひっきりなしに走り抜けていきます。出来れば国道から離れて、湖岸道路に入りたいのですが・・。8時50分。10,2km。道の駅“藤樹の里 あどがわ”。「あどがわ」って「安曇川」と書くんですね。読めない!


藤樹の里は、江戸時代初期の儒学者、後に“近江聖人”とも言われた“中江藤樹”の生誕の地なんですね。駐車場の一角に、母に傷薬を渡している藤樹母子の像がありました。ふ~ん!9時の開店と同時に店に入ってみました。道の駅ってボクは好きなんです。何処にでも有りそうな生鮮野菜や魚肉などが並んで居ますが、その中にもその地方独自の生産品があったりして、面白いです。お土産用の工芸品を見るのも好きですねえ。

ここら辺りから“湖岸道路”の案内板が見えるようになりました。右に折れます。ようやく国道の緊張から抜け

る事が出来ました。しかし、一向に湖岸に辿り着きません。そこで伝家の宝刀“スマホ”の出番になりました。ボクの現在位置を確かめました所、方向が違っています。自然に道がカーブしているんですね。ヤレヤレ困ったもんです。右往左往して、9時35分。17,5km。湖岸道路の“びわ湖子供の国”へ着きました。


このまま北へ走ります。右手に湖が見えているうちは道間違いは無いはずです。それでも県道の湖岸道路は、何時しか国道と一緒になったりするので、油断も出来ません。木津辺りを走っています。秋の日射しが柔らかく体を覆っています。湖岸道路ですがこの辺り“風車街道”とも書いてありました。湖水に漁をしている舟がたまに見えます。のったりした風景です。更に北上しますと、今度は“さざ波サイクリングロード”になりました。


そう言えば、すれ違う自転車の人は、ほとんどがMTBです。やはり宿のご主人が言っていた通り、レンタサイクルでの湖岸サイクリングの人が多いのでしょうかね。湖岸道路が切れた所で一寸一服します。写真を撮ったりメモをしたりしていたら、「こんちわ~」と声を掛けてくれたサイクリストが居ました。慌ててボクも「あ~こんちわ~」と返しながら顔を上げますと、もう一人連れの女性も同じように声を掛けていきました。


最近サイクリスト同士でも挨拶をしてくれない人が多くなりました。何か素っ気ない感じで、味気ないと思ってたのですが、若いカップルの声掛け一つで温かくなったような気がします。10時55分。36,7km。“マキノ駅”に着きました。今回のツーリングの一番の目的地“メタセコイアの並木”がある最寄りの駅です。ここでも通りの人にお尋ねしながら、ついにメタセコイア並木道に辿り着きました。11時20分。41,2km。


「オ~!」真っ直ぐの道の左右に整然と植えられたメタセコイアの並木は、それぞれ30m近くにも生長していて、きれいに茂った葉が三角錐状に繁っています。これが紅葉の時期には赤茶色に染まって、素晴らしい絵になると言う事です。でも今日のメタセコイアは、緑色のままで、紅葉にはいささか時期が早かったようです。この辺り何処でも「温い(ぬくい)からな!紅葉は未だダメだ!」でした。それでもこの景色は、見応えがあります。


さりげなく自転車を配置して、何枚も写真を撮りました。メタセコイアって“生きている化石”って言われているんだそうです。やはり珍しい樹木なんですね。休憩施設“ピックランド”に立ち寄りました。沢山のお土産や飲食物が有ります。お土産を一つ買って、次に向かう事にします。時間的には昼食にしても良いくらいですが、お腹が空きません。途中何処にでもなんでも有るでしょう。ここからも国道を避けて湖岸道路を選びます。


海津大崎は国道から離れた膨らんだ半島で、距離的には大回りになりますが、あえてこの道を選びました。景色が良い事と、トンネルが待っている国道を避ける道を選んだ為です。確かに静かな湖岸道路で、車の心配はほとんど無くて、たまに見かけるのは一人二人の釣り人の姿ぐらいです。そしてここでもトンネル箇所がやたらにあって、連続して10カ所くらいの続いた所もありました。でも怖くありません。車の量が全く少ないからです。


空腹を感じてきました。でも、ないのです。食堂、レストラン、コンビニさえも。そうですよね。人家がないのですから。極たまにあるのは、水泳客用の季節的な施設と売店ですが、今時やっている訳はありません。お腹が空き始めると気持ちがそちらにばかり行って、余計に空腹を感じてしまいます。道端に居た釣り人に「食べ物屋さんはないでしょうか?」「戻ってコンビニへ行った方が近いですよ」だって。イヤですよ。10分も戻るなんて。


静かな湖岸の景色を眺めて、気を紛らわせながら走ります。琵琶湖一周は約200kmだそうで、ほんとに大きな貯水湖が出来たものです。湖水に浮かぶ島は竹生島(ちくぶしま)でしょう。湖岸道路の脇には様々な木が植えられています。春には延々と続く桜並木が圧巻の景観なのだそうです。12時45分。やっと集落がありました。大浦です。もうここは“高島市”ではなくて“長浜市”に入っているんです。信号機を左折します。


久しぶりの街並みです。ありました。それも立派な割烹旅館と隣接した和食屋さんです。お寿司や会席料理なども出す料理屋さんでした。そっと入りますと「いらっしゃいませ!」「こちら高級な感じですね」「そんな事はないですよ。どうぞお入り下さい」と若い作務衣を着た男性に、カウンターの席を勧められました。お父さんと見える60才くらいのご亭主にも「いらっしゃい!」と挨拶をされ、一寸メニューを見るまで落ち着きません。


でも良かった!今食べたいと思っていた“オムライス”がメニューにありました。直ぐに注文を入れます。「お客さん、すいませんが一寸時間を下さい」とご亭主さん。「あまり待つのは困るんですけど・・」「少しです」先客さんの注文が手が掛かるものなんでしょうか。真正面にあるテレビでは“スカーレット”が放映されています。何となく、家では朝仕事前に見ていました。ここで続きが見れるとは・・。程なくオムライスが出て来ました。


ふわふわの卵がのっかっています。さすが料亭!満足です。お腹が満ちて、13時15分。55,1kmから午後の再スタートです。ここから湖岸道路は距離が長くなりすぎます。内陸に入ります。R303に出ました。次の目的地“木之元”までは、15km位になります。しかし相変わらず国道にもトンネルが待っています。道幅は狭いです。頑張って暫く行きますと、国道8号線との交差点に出ました。車の通行量が段違いに多いです。


こんな道を走るのはイヤですよ~!と思案していると、前輪の動きがおかしいです。アッ、パンク。ぺちゃんこではないですが、押すと凹むほど空気が少ないです。トンネル内で完全に空気がなくなったら、それはそれは困りものです。交差点角にコンビニがあります。その建物の側でチューブ交換修理です。約10分間の休憩タイムになりました。外に出てきた店員さんに「木之本へ行くのですが、他に道はありませんか?」「ないですね」


スマホで現在位置を確認します。トンネル直前に湖岸に通じている小道があります。そこからは多少大回りにはなりますが、それほど木之本も遠くはないし、ヨシ、行きましょう。大きな半島もなく、再び湖岸の景色を見ながらのサイクリングです。気温は16℃程で高くないのですが、降り注ぐ日射しが気持ちを軽くさせてくれます。湖岸に沿ってひたすら進みますが、この道もとうとうR8と合流してしまいました。その上又トンネルです。


身を縮めながら必死で走り抜けました。こんな時には電装品が最大の頼りです。点滅テールライトを2個。フロントライトももちろん点灯させて、轟音のトンネルを走ります。運転手さんによって、幅一杯に寄せて走り抜ける人も居れば、十分に追い抜けない時には、安全に抜けるまでスピードを抑えて、ボクの後ろで待ってくれている人も居ます。暗い緊張のトンネルから、明るい日射しの外へ出た時には、心からホッとしますね。


そのまま国道に載って進みますと、今日の目的地、長浜市木之本に入りました。賑やかな街中に入るのが久しぶりみたいに、何となく心躍る気分です。14時50分。木ノ本駅。ここまで71,3km。今日のお宿の“己高庵”は、紅葉で名所の“鶏足寺”に隣接しているはずです。駅からはかなり離れているようで、道を確認する為にスマホさんに頼りましょう。エッ、画面が暗くて薄い!もしかしてコレって電池切れ?ダメだ、こりゃ!


紙の地図も大切なものですね。それと地元の人にお尋ねするのが一番な気がします。皆さん親切に教えて下さいますし・。あちこちしながらやっと「己高庵こっち」と言う矢印の着いた看板がある所まで来ました。“まほろばの里”と言うだけ有って、静かな里山の風景が広がる所です。喧騒の国道から、落ち着いた日本の原風景のような世界は、最高に気持ちが良いし落ち着きます。最後と思われる看板を確認して「もうそこだな」から激坂!

見事な歓迎の仕方ですね。息を切らせてようやく玄関前に辿り着いたのは、15時50分。イヤ~、宿に到着です。


16時頃の予定と知らせてありましたので、正にジャストタイムでした。お天気が悪いと、15時過ぎには暗くなりかけますから。良かった良かった。今はただ早く肩のリュックを下ろしたい、の気持ち一つです。玄関に入りますと、作務衣姿のおかあさんが、愛想良く出迎えてくれました。「自転車置き場が裏にありますから・・」

建物を回り込むように裏手に回りますと、中庭に面した屋根下に“サイクルスタンド”が用意されています。


ここにも琵琶湖を訪ねるサイクリストが来るんですね。先ほどのおかあさんが中庭からの入り口に回ってきて「ここから入って下さい」とドアを開けてくれました。「サイクルスタンドもあるんですね」「えゝ、工具もありますよ。サイクルステーションになっていますから」「じゃあ明日の朝、ポンプを貸して下さい」「どうぞどうぞ」


良かった!一安心です。案内されたツインの部屋にボク一人で使わせて頂けます。一時も早く身につけているものから解放されたい、の思いからやはりお風呂ですね。16時30分。ボクが一番風呂でしょうか。温泉では無いと言う事ですが、温泉ホテルのように大きなお風呂が2つ。外に露天風呂もあります。露天風呂も沸かしなんでしょうが、温度加減も丁度良くって、もう出たくないねえ。眠ってしまいそうです。内湯に戻ります。


2つの浴槽の小さい方に60才位の男性が湯に浸かっていました。「このお湯は何か違うんですか?」「薬草

風呂のようですよ」「ほ~」ほのかに薬草の匂いが鼻に来ます。「度々来ているんですか?」「イヤイヤ今日初めてなんですよ。ネットで見つけて急に来たんです。たまにはカミさんにも慰安をしませんとね。中庭に自転車が有ったけど、自転車ですか?」「えゝ1年に一度、秋に一人旅をするんです」「お幾つなんですか?」


「?5才になりました」「へ~、良い趣味ですね~!体を動かす趣味って良いですよ」名古屋の人と、旅の一期一会の楽しい会話を持ちました。部屋に戻って、支度を片付けたり又準備をしたりして、ベッドに横たわると軽く寝てしまったようです。気が付いて見ると、夕食時間の18時が迫っています。お食事処の広い空間の外れに、ボクのテーブルが用意されてありました。この頃沢山食べられないので“量控えめ会席”プランにしてあります。


座って見渡しますと、一番遠い対角線側に、先ほどお風呂場で会った、男性のご夫婦が座っています。ご主人ボクと目が合ったようです。あちらから頭を下げて下さいました。もちろんボクも深く挨拶を返しました。面白いものですね。紅葉で有名なここ“鶏足寺”周辺。明日の朝、散歩がてら見て来ましょう。と思いながら、21時にならないうちに寝入ってしまったようです。ムニュムニュ。今日の走行距離は80,4kmでした。



〈11月6日(水)〉


5時。朝は早く目覚めました。未だ外は真っ暗です。ベッドでグズグズしているのも気持ちの良いものですね。テレビの天気予報は、「晴。遅くなってから曇」と言う事で、今日もお天気は心配ないようです。もう今夜には自宅に帰っているはずなんです。とチラリと頭をよぎります。帰らなければならないと思う反面、もう終わってしまうのかという思いと複雑です。フロントに電話を入れて「今から散歩に出ても宜しいですか?」


「どうぞ、どうぞ。でも鶏足寺の紅葉は未だですよ。温いですからね」6時30分。玄関を出ますと、ぬくいと言っても外はやはり冷え込んでいます。今朝は6℃だとか。山の朝の冷気が体を包みます。指先が冷たくなりました。未だ十分に明け切っていない景色の中、遊歩道を案内板通り歩きます。ほとんど人の気配のしない山道を散歩するって、特別な感じですね。暫く行きますと物音が聞こえます。ザッ、ザッっと言う音。緊張します。


音がしている方向はボクが進む方向です。一歩ずつ近づくと、おゝ人が居ました。おじさんです。朝早くから草刈りをしていました。この辺り、茶畑にもなっているんですね。所々斜面に、茶畑独特のかまぼこ形の畝があります。階段と坂道ばかりの遊歩道を進みます。13分程歩きますと“石道寺(しゃくどうじ)”に着きました。真言宗豊山派の寺院。 作家井上靖氏が、小説の中で当寺の観音像の姿を、村の若い娘に例えたことで知られたのだそうです。


帰り道に“鶏足寺”に向かいます。旧飯福寺と言うのが正解のようで、鶏足寺は火災で焼失して今はないのだそうです。でもこの辺りが一番の紅葉の見所なので有名ですが、今日時点では全く色づいていません。もみじも緑濃いままの常緑樹のようです。ゴロゴロした足元に気を付けながら、森の深い所へ入ります。その奥の一段高い所に飯福寺は見えました。辺りは昼なお暗い鬱蒼とした緊張感の走る雰囲気です。


カメラを向けて写真を撮ったその時に、ガサッ、ドサッと言う音がしました。見ると寺院の左手奥の森の中で何か動きました。黒いかなり大きい動物です。ヒヤッとして鳥肌が立ちました。緊張のピークです。一瞬“カモシカ”かな?と思いましたが、もしかして“熊”だったらコレは困った事になるぞ、と瞬間色んな事が頭に浮かんできたものでした。これ以上もちろん進めません。何事もなかったように、ゆっくりとした行動をとります。


気持ちは急きますが、そこから少しずつ離れるように、来た参道を帰ります。冷たい汗が背中にかいています。明るい所まで来て、やっと落ち着きました。7時5分。ホテルに帰ってフロントで「黒い太みのある動物が居ましたよ」「恐らく鹿ではないですか。熊もカモシカもいる事は居るのですが、私はまだ一度しか熊にあっていませんよ」だって。鹿の体型では無い筈なんだけど・・。まあ、記憶に残る良い体験が出来た散歩でした。


7時25分。昨日の食事処で朝食です。ほんとは7時30分からなので、誰も居ません。塩分を気にしながら“一人ご飯”を頂きました。出発前にポンプを借りなければなりません。出してくれたのは、英式、米式兼用ポンプでした。仏式を希望する人が居ないんでしょうか。仕方が無いので、ボクのバルブに着けてある、アダプターを使って入れる事にしました。あまり十分には入らなかったのですが、これで昨日走って来たのですから・・。


玄関前で記念に写真を撮って頂いて、8時10分。さあ、今日の走り始めです。急坂を下って幾つかの角を曲り、昨日の国道303号を行きます。303号線は8号線と一部共有しているようで、いまは国道8号線を走っている事になります。再び湖岸道路を目指します。出来るだけ国道は避けたいと思います。標識がありました。右に折れると“湖岸道路”と。それに従います。しかし中々ストレートには到達しません。分かりにくい~!


8時45分。9kmでやっと湖岸道路に入る事が出来ました。9時。12,3km。“道の駅 湖北水鳥ステーション”です。良いものが出来たものですね、道の駅って。休憩するのに最適ですね。トイレはあるし、食べ物も売っているし、お土産や地元生産品も見られますしね。何人かの革ジャンを着た、オートバイツーリングの人達が、駐車場で談笑しています。今日も柔らかい日射しが降り注いでいます。嬉しいですね。


湖岸道路は続きます。でも長浜市中心部まで後12~3kmのようです。しかも僅かな追い風で、ルンルン気分です。ここは“さざ波街道”と言うようです。琵琶湖の反対側左手には、色々な施設や会社お店などが連なっています。もう長浜市の中心部に近づいているんですね。10時。26,3kmで長浜駅西口に着きました。“黒壁スクエアー”へ行きましょう。何処にあるのでしょう。丁度歩道を歩いてきた40才前位の女性に聞きました。


仕事をしている感じの人です。中々魅力的な女性です。「黒壁スクエアーはどう行けば良いのですか?」「あゝ丁度向こう側になるんですよ。ここは西口ですし、東側にありますよ。この先を行って左に二度曲がれば、駅前に出られます。自転車なら直ぐです」「有り難うございました。お忙しいのに」お礼を言って別れます。感じの良い人だったなあ!言われた通り直ぐに駅前に着きました。でも黒壁スクエアーは、どこだか未だ分かりません。


交差点で思案していたら、赤信号で待っている女性がいましたので、「黒壁スクエアーは何処にあるんですか?」と尋ねました。顔を上げたその顔は、先ほど西口で教えてくれたあの魅力的な女性だったんです。何という・・!「あら、又お会いしましたね。この路地を入った次の通りがそうですよ。あのう、私こう言う事をしています。今度奥様に来て頂いて下さいね」と名刺を差し出されました。嬉しいような、そうでも無いような・・。


不思議な出会いってあるんですね。何故か満ち足りた気持ちで黒壁スクエアーを見て、次の目的地“醒ヶ井宿(さめがいじゅく)”へ行く事にします。米原市になるんですが、米原駅まで行かなくても行ける筈なんですが、スマホナビでは全く分からず、右往左往中々長浜市をぬけられません。やはり紙の地図に従いましょう。走りたくないけど間違いが無いのは、国道8号線で米原駅まで行く事にします。再び緊張の国道走行です。


11時20分。。米原駅東口につきました。タクシーの運転手さん二人が、立ち話をしています。「醒ヶ井宿へ行きたいんだけど、国道を通らないで行けないでしょうかね」「行けるよ。中山道だよ。狭くて急坂があるけど、車はあまり通らないよ」やっぱり国道を行く事にしようかな。お礼を言って直ぐに向かいます。運転手さんに聞いた所では「大体5km位だよ」なんか、力が沸いてきちゃいます。行こイコ!


相変わらずの大型トラックビュンビュンです。身を縮めながら走ります。11時45分。醒ヶ井駅に着きました。45,2km。車が頻繁に通る国道沿いの賑やかな所にあるんです。“醒井水の宿駅みゆき”って何だ?駅前にあるやはり“道の駅”みたいなものなんですね。醒ヶ井宿はきれいな水が流れていて、生活になくてはならない貴重なものだったんでしょう。国道より一つ中に入った通りが昔の街道筋だったんですね。


ゆっくりペダリングにしたり、時に歩いたりして、街道の面影を堪能させて頂きます。道の片側に幅2m程の川が流れています。時々階段があって、ものを洗ったりしているのでしょう。何枚も写真を撮りました。水曜日の今日は誰も歩いている人は居ません。12時15分。47,2km。米原に帰る事にします。来て見て良かった!きれいな水のある所って、それだけで人を引きつけるだけの魅力になりますね。12時40分。米原駅に・・。


今日の走行距離は53km。輪行袋にボクの大切な脚(愛車)を収納して、13時55分発シラサギ55号で今年の“一人旅”を終わる事になりました。今年の奥琵琶湖の旅も楽しかったよ。次は何処へ行こうかな。




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